IoT Platform Things Cloudリリースノート(ver.10.18)

リリース予定日: 2024年

重要
ver.10.18へのバージョンアップを予定しています。先行情報として掲載していたバージョンアップにおける注意事項新機能追加、および機能改善に続き、不具合改修ついて追加掲載いたします。注意事項には、ver.10.14.0からver10.18.0へのバージョンアップで互換性の無くなる機能や、お客様のご対応が必要になる可能性のある仕様変更が含まれています。十分に内容をご確認くださいますようお願い申し上げます。 現在調整段階により記載内容について変更される可能性がありますこと、ご留意ください。ご不明な点がございましたら Things Cloud Support までお問い合わせください。



新機能および機能改善点

アプリケーションの有効化

ユーザーインターフェースの再設計

Things Cloud プラットフォーム の UI には、新しいデフォルトのブランドが追加されます。ユーザビリティとアクセシビリティを向上させることを目的とし、UI、データ視覚化、製品イラストのカラーパレットが更新されています。デザインシステムには、スクリーンリーダー、キーボード、コンポーネントのアクセシビリティの向上も含まれています。

Application redesign

右ドロワーの機能追加

右側のドロワーは、ユーザーエクスペリエンスを向上させるために追加され、右上の「ユーザー」ボタンをクリックすると、右側のドロワーが開き、さまざまなアクションや情報にアクセスできます。右側のドロワーに加えられる機能は次のとおりです。

ユーザー関連のすべての設定をユーザーメニューから右側のドロワーに追加し、使用されているアプリケーションのバージョンに関する詳細情報、ユーザーに割り当てられたグローバルロールに関する情報にすばやくアクセスできるように プラットフォーム バージョン セクションを改善し、使いやすさを向上させるためにレイアウトを更新します。

Right drawer

地図機能のマイグレーションと強化

地図機能は AngularJS から Angular に移行され、いくつかの改善と変更が加えられます。

重大な変更:

新しい機能:

Map widget improvements

ダッシュボード の グローバル時間 セレクター

グローバル時間を指定できるようになります。これにより、ユーザーはひとつのダッシュボード上のすべてのデータを同じ時間範囲 (過去1時間 や 先月など) に揃えることができます。ウィジェット設定者は、ダッシュボード全体 または 特定のウィジェットのグローバル時間を設定できます。ユーザーは、URL に時間コンテキストのパラメーターを含めることで、特定の時間を含むダッシュボードを共有することもできます。

グローバル時間コンテキストは現在、イベントリスト、データポイントグラフ、および データポイントテーブル のウィジェットで使用できます。

Global time context

ダッシュボード の 可用性

ダッシュボード構成に新しいオプションが追加され、ユーザーがグローバルロールに基づいて他のユーザーに対するダッシュボードの表示を制限できるようになります。この新機能により、ダッシュボードの共有とアクセシビリティをより詳細に制御できるようになります。

Dashboard availability

新しい Markdown ウィジェット

マークアップ言語で記述されたファイルを表示するために設計された新しいウィジェット「Markdown」ウィジェットが追加されます。「Markdown」ウィジェットを組み込むことで、表示機能を強化して、新機能などをユーザーに通知できます。

Markdown widget

デバイス管理

完全にカスタマイズ可能な「ホーム」ページ

ホーム ページは、完全にカスタマイズ可能なダッシュボードを表現するようになります。これにより、ユーザーはダッシュボードをニーズに合わせて調整し、あらゆる KPI や 指標 に対応できるようになります。ユーザーはデバイス管理アプリケーションで、コックピット ダッシュボードと同じ基盤モジュールに基づいて、同じ見た目と操作感だけでなく使用可能なすべてのウィジェットを含む同じ機能を体験できるようになります。

Customizable Home Page

「ホーム」ページの改善

ホーム ページは、「地図」ウィジェットを クイックリンクと 最近のアラームに置き換えることによって改善されます。

Home Page Revision

「すべてのデバイス」ページの改善

プラットフォーム全体でより一貫したエクスペリエンスを提供するために、すべてのデバイス ページ のコンポーネントが変更されます。サブアセット検索 ページで既にお馴染みのデータグリッド形式で実装されています。これにより、多くのデバイスのさまざまなビューポートサイズでの外観が向上し、フィルタリングと並べ替えが容易になり、ページネーションオプション (グローバルのインベントリのアクセス権を持つユーザーのみ) が提供され、さらなる改善のための確固たる基盤が確立されます。

All devices

プラットフォームサービス

セキュリティ

シングルサインオンのエクスペリエンスが改善され、Things Cloud の管理者が SSOユーザーのロールを編集できるようになりました。これにより、Things Cloud のユーザーは、ローカルユーザーと同じ方法でロールベースのアクセス制御ができるようになり、外部の Identity Access Manager によって管理されるユーザーのセキュリティ機能が大幅に強化されます。

認証

シングルサインオン認証 における 新しい OAuth2 アクセストークンタイプのサポート

Things Cloud は、「at+jwt」タイプのヘッダーパラメータを持つ新しい標準 OAuth2 アクセストークンをサポートします。このパラメータの詳細については、OAuth2 Access Tokensをご覧ください。したがって、新しい認可サーバーによって管理されるシングルサインオンユーザー(つまり、タイプ「at+jwt」の OAuth2 アクセストークンを生成する)は、Things Cloud に 正常にログインできます。

認可サーバーからのOAuth2アクセストークンによる認証

標準の SSO に加えて、Things Cloud では、サードパーティの認可サーバーからのアクセストークンを ベアラートークンとして直接使用して、プラットフォームリソースにアクセスできるようになります。それに応じて SSO 構成が拡張されます。

シングルサインオン統合の強化

SSOユーザーに インベントリロールを割り当てることができるようになります。動的アクセスマッピングが拡張され、トークンクレームに基づいてインベントリのロールをマッピングできるようになります。標準アクセスマッピング用に定義された構成は、インベントリロールをマッピングするときにも適用されます。

すべてのテナントのユーザーのセッショントークンを取り消す

テナント管理者は、プラットフォームへの OAI-Secure または シングルサインオン アクセスに使用されるすべてのセッショントークンを 1ステップで取り消すことができる新しいオプションを使用できます。

この機能は、たとえば、現在使用中のトークンにセキュリティ上の問題があり、即時対応が必要な場合に便利です。トークンの取り消しは、すべてのユーザーが再ログインする必要があります。

ユーザー ページの上部メニューバーの右側にある すべてのユーザをログアウト をクリックして、すべてのセッショントークンをただちに取り消します。

User token revocation

ver.10.18バージョンアップでの注意事項

今回のバージョンアップ後の注意事項を記載します。該当するワークアラウンドがある場合はそれらを適用してください。

対象
事象
ワークアラウンド
ver.10.18用ブランディングファイルの再適用 バージョンアップに伴いブランディングファイルが一部更新されます。ブランディングをカスタマイズしているお客様は、ver.10.18へのバージョンアップ後、ver.10.18用のブランディングファイルを再適用いただく必要があります。開発者レポートの ロゴや配色を変更する方法の手順を参考にカスタマイズ設定を追加し、テナントに再適用いただくようお願いいたします。ver.10.18用のブランディングファイルは、開発者レポートからをダウンロードできます。新しいブランディングファイルは、ver.10.14では正常に動作しないため、バージョンアップ後の適用を推奨いたします。

ver.10.14とver.10.18のブランディングファイルの主な差分は以下の通りです。
(1) options.jsonの変更
・パラメータnavigator-active-colorの名称がnavigator-color-active に変更
・パラメータheader-border-colorを廃止に伴い削除
extraCssUrls に新たなcssファイルを1つ追加、および既存の1ファイルを削除
・パラメータi18nExtraおよび関連設定の追加(サブテナントの一時停止機能に関する設定のため、お客様側での内容変更は行わないでください)
(2) ui-assets に新規ファイル追加
・1018bugsWorkaround.css(将来のバージョンアップで削除される予定です)
(3) ui-assets 内の既存ファイル変更
・styles.css
-

REST API

Inventory API の重大な変更 - 一連のプロパティの制限

Inventory API の一連のプロパティはシステムでの内部的な使用に制限され、外からは設定できません。この変更は、今後のユースケースや計画されている機能によって動機付けられています。

これらのプロパティを使用してリクエストが送信された場合、それらはプラットフォームによって無視され、設定されません。

この変更は、次のフラグメントに適用されます: c8y_LatestMeasurements, c8y_LatestEvents, c8y_LatestAlarms, c8y_LatestOperations, c8y_LastAlarm, c8y_LastEvent, c8y_LastOperation

たとえば、ユーザーが次のフォーマットでリクエストを送信するとします。

{
    "name": "testDevice",
    "owner": "device_654321",
    "c8y_IsDevice": {},
    "c8y_LatestMeasurements":{
      "c8y_Temperature":{
         "T": :{
            "value" : 25.4,
            "unit" : "C"
         }
      }
    }
}

このリリース以降、c8y_LatestMeasurements フラグメントは無視され、保存されません。

Alarm, Event, Measurement API の重大な変更 - 必須パラメーターの導入

一括削除操作において、多くのオブジェクトが誤って削除されてしまうのを防ぐために、削除対象として影響を受けるデータを制限する 少なくとも 1つの クエリパラメータが必要になります。

この変更は、次の API に影響します。

SmartREST 2.0 の重大な変更 - カスタムプロパティとして使用される DATE フィールドは文字列として保存されます

カスタムプロパティとして使用される SmartREST 2.0 の DATEフィールドは、データベースに文字列として保存されます。これは、RESTレスポンスのフォーマットに影響しています。

これまでのレスポンスのフォーマット例 (注記 aCustomDateField フィールド):

{
   "source":{
      "id":"91123"
   },
   "type":"TYPE-911",
   "aCustomDateField":{
      "date":{
         "date":14,
         "seconds":15,
         "hours":12,
         "month":10,
         "year":122,
         "timezoneOffset":-60,
         "minutes":41,
         "time":1668426075840,
         "day":1
      },
      "offset":120
   },
   "c8y_TemperatureMeasurement":{
      "T":{
         "unit":"C",
         "value":10
      }
   }
}

新しいフォーマット:

{
   "source":{
      "id":"91123"
   },
   "type":"TYPE-911",
   "aCustomDateField":"2022-11-14T12:44:11.481+01:00",
   "c8y_TemperatureMeasurement":{
      "T":{
         "unit":"C",
         "value":10
      }
   }
}

この変更は、異なる Things Cloud プロトコル間の一貫性を向上させるために導入されます。

SDKの変更

地図ウィジェットの重大な変更

「地図」ウィジェットは移行され、すべてのデバイスでのリアルタイム更新のサポートは、構成可能な更新間隔に置き換えられます。この変更により、デフォルトでマップ上に 100 を超えるデバイスを表示できるようになります。さらに、「地図」ウィジェットは「追跡を表示」オプションをサポートしなくなります。

新しいデフォルトのブランディング

すべての Things Cloud デフォルト アプリケーションのブランディングが更新されます。すでにブランディングされたアプリケーションは影響を受けませんが、新しいナビゲーターが暗い色から明るい色に変わるため、デフォルトのナビゲーターのフォントの色が現在のブランド設定では機能しない可能性があります。暗い背景色の上に暗いフォントの色が表示され、ユーザーが読み取れなくなったり、アクセスできなくなったりする可能性があります。

Web SDK を Angular 14 に更新

Web SDK は Angular 14 に更新されます。カスタム アプリケーション を変更する必要のある内容の詳細については、 Angular upgrade guide(英文)をご覧ください。デフォルトのアップグレード手順を参考に、Cumulocity CLI ツールによって提供されるファイルをアップグレードできます。

Angular Schema Form のサポートの停止

デバイス グリッド 列の filteringConfig における Angular Schema Form のサポートは、より最新のAngular Formly を優先して停止されます。すべてのデバイス グリッド のカスタム列定義が新しい定義を使用するように移行されるまで、アプリケーションをビルドすることは不可能になります。

今後は、AngularJS コンポーネントを含むアプリケーションの他の部分での Angular Schema Form のサポートも停止する予定です。Angular Formly の詳細については、公式ドキュメントをご覧ください。

ビルド コンポーネント

Things Cloud のリリースは、Core (バックエンド) や UI (フロントエンド) など、さまざまなコンポーネントで構成されます。これまでのリリースでは、これらのコンポーネントは 1つのビルド コンポーネントとして、同じリリースバージョンで同時にリリースされました。

Core、UI、および その他のいくつかのコンポーネントは、独立したリリースバージョンを持つ個別のビルドコンポーネントとしてリリースされます。つまり、修正リリース バージョンはコンポーネントごとに異なる場合があります。

カスタムストリーミング処理機能

マニフェストから不要なロールを削除

セキュリティ上の理由から、Apama-ctrl マイクロサービスのマニフェストファイルで定義されている必要なロールから ROLE_APPLICATION_MANAGEMENT_ADMIN と ROLE_OPTION_MANAGEMENT_ADMIN は削除されます。 Streaming Analytics アプリケーションでデプロイされたアプリケーション (EPLアプリなど) は、アプリケーションの作成や、テナントオプションの変更など、セキュリティに関する重要なオペレーションを実行できなくなります。

com.apama.cumulocity エラー処理の一貫性向上におけるイベントの更新 - GenericRequest

エラー処理の一貫性を向上させるために、com.apama.cumulocity パッケージの GenericRequest イベントが変更されます。サーバーからのレスポンスのすべてのケースにおいて、GenericResponseComplete イベントが正しいレスポンスのチャネルに送信されるようになります。さらに、GenericResponseComplete イベントには次のメンバーが追加されます。

GenericResponseComplete イベントは、GenericResponse イベントと同じチャネルに送信されるため、Error イベントの代わりに更新された GenericResponseComplete イベントを使用することをお勧めします。

さらに、以前は2xx以外のレスポンスコードを受信した一部の GenericRequest イベントが引き続き GenericResponse イベントを送信していましたが、動作にも変更があります。ペイロードがJSONで errorfalse のリクエストのみがイベントを送信します。

場合によってはレスポンスのイベントがまったく送信されないことがありましたが、どのようなエラーの場合でも、すべての GenericRequest イベントに対して GenericResponseComplete イベントが常に送信されます。

com.apama.cumulocity エラー処理の一貫性向上におけるイベントの更新

エラー処理の一貫性を向上させるために、com.apama.cumulocity パッケージの次のイベントも更新されます。

サーバーが承認するすべてのケースにおいて、レスポンスは正しいレスポンスのチャネルに送信されるようになります。上記のイベントには次のメンバーが追加されます。

今回更新されたイベントと同じチャネルに送信されるため、Error イベントの代わりに上記の更新されたイベントを使用することをお勧めします。

Analytics Builder の重大な変更 - 承認済みのアラーム

アラーム出力ブロックは、変更を加えるたびに「承認済み」アラームを再アクティブ化しなくなります。

Analytics Builder - モデルのタイムアウトを構成するためのキーの削除

モデルのタイムアウトを構成するための次のキーは削除され、設定した場合も無視されます。default_timeout_secs` block_promise_timeout_secs` 代わりに、Apama-ctrl マイクロサービスによって判断されたように、リクエストのレスポンスや、完了に時間がかかりすぎる Promise値の場合、警告がログに記録されるようになります。

Analytics Builder - frgment プロパティの削除

frgment プロパティは 削除されます。まだ変更していない場合は、すべてのブロックにおいて、frgmentfragment に変更する必要があります(たとえば、Extract Property ブロックの Property Path パラメーターの値)。

Analytics Builder - アラームクリア入力ポートのタイプの変更

アラーム出力ブロックでは、クリアアラーム 入力ポートのタイプが boolean から pulse に変更されます。したがって、ポートへのBoolean入力を持つ既存のモデルは、入力が残っている間ずっとではなく、false から true への遷移時にのみクリアアラームをトリガーします。以前の動作を保持したい場合は、 Pulseブロックを クリアアラーム 入力ポートに接続して、連続するパルス信号を アラーム出力 ブロックに送信します。ただし、モデルが同じアラームを複数回クリアしようとする可能性は低く、以前の動作では多数の不要な HTTPリクエストを送信する影響があり、パフォーマンスの低下を引き起こす可能性がありました。タイプと入力の変換方法 の詳細については、Streaming Analyticsガイド の パルスタイプ と タイプ変換 をご覧ください。

Analytics Builder - Discrete Statistics ブロックのリセット動作

Discrete Statistics ブロックのリセット動作が修正されました。すべての新しい値は、ブロックがリセットされた にサンプリングされるようになります。

Analytics Builder ブロック SDK の バージョン1 API の削除

入力ブロックと出力ブロックを書き込むための Analytics Builder ブロック SDK の 非推奨バージョン1 API は削除されます。バージョン1 API を使用している既存のブロックは、バージョン2 API を使用するように移行する必要があります。 詳細については、GitHub の Analytics Builder ブロック SDK ドキュメントの Migrating input and output blocks to the version 2 API をご覧ください。

マイクロサービスの正常性エンドポイントの変更

セキュリティとパフォーマンスの理由から、RESTエンドポイント /service/cep/health は、ステータス値の包括的なリストを返さなくなります。同じ情報はすべて、 /service/cep/diagnostics/... にある RESTエンドポイントから引き続き利用できます。

アラームタイプ application_queue_full の削除

application_queue_full の アラームタイプは削除されます。パフォーマンスアラームは、入力キューと出力キューがいっぱいになる理由をより適切に説明する3つの新しいタイプに置き換えられます。

その他

OAI-Secure ユーザー のセキュリティ向上

リリースノート ver.10.14では、管理者がロール内の権限を変更すると、特定のロールが割り当てられている、かつ OAI-Secure を使用しているユーザーはログアウトされるように変更される予定であることを発表しました。

権限の変更は即座にアクティブなユーザーセッションに反映されるため、強制ログアウトは不要になり実装されません。権限変更時のセッションの無効化は必要なくなりました。

将来のバージョンアップに向けた注意事項

重要
下記は、将来のバージョンアップに向けた注意事項です。今後のバージョンアップ時期は未定ですが、互換性のない仕様変更が含まれる可能性があるため事前にお知らせいたします。

REST API

すべての REST API における重大な変更

リクエストのパラメータの pageSize または currentPage の値が間違っている場合、HTTP ステータス コードは、500(Internal server error) ではなく、422(Unprocessable entity) が返されます。

検索基準のない REST API リクエストに対して、デフォルトの statistics の totalPages は返却されなくなりました。totalPages を返却したい時は、リクエストに withTotalPages=true パラメータを明示的に指定する必要があります。

例:
GET /user/users?pageSize=1000 は、statistics の totalPages は返却しません。
GET /user/users?withTotalPages=true は、statistics の totalPages を返却します。

この変更はパフォーマンス上の理由により強制されます。

Inventory API の重大な変更 – withChildren パラメータのデフォルト値の変更

将来のバージョンでは、エンドポイント GET /inventory/managedObjectswithChildren パラメータのデフォルト値が true から false に変更されます。 その結果、リクエストが 子アセット、デバイス、追加情報を返すことになっている場合は、クエリに パラメータ ?withChildren=true を指定する必要があります。この変更は、Inventory API のパフォーマンスを向上させるために必要です。

Inventory API の重大な変更 – マネージドオブジェクトの削除時のリターンコードの変更

将来のバージョンでは、マネージドオブジェクトとその依存関係の削除がすぐに完了しない場合、プラットフォームは HTTP ステータスコード 204 (No content) ではなく 202 (Accepted) を返すようになります。 コントロールをすぐに返せる場合、返されるコードは 204 のままです。 この変更は、API を HTTPプロトコル の セマンティクス (非同期リクエスト) と一致させるために必要となります。

Application API の重大な変更 - アプリケーション key と contextPath を変更する機能がブロックされます

アプリケーションの contextPath と key を変更できなくなります。これは重大な変更であり、これらのアプリケーションプロパティの値を更新しようとする API リクエストは失敗します。

この変更の理由は、これらのプロパティの値を変更すると、デプロイされている アプリケーション バイナリ が壊れる可能性があるためです。

具体的なユーザーへの影響としては、ユーザーが対象の key を持つアプリケーションと、それぞれの key に一致するマニフェストを持つバイナリをホストしている場合、アプリケーション内の key が変更されると、バイナリは機能しなくなります。

Application API の変更

将来のバージョンでは、アプリケーションAPIから resourcesUrl フィールドを削除する予定です。 resourcesUrl はレガシーなフィールドであり、その背後にある機能は削除されます。

この変更はユーザーに悪影響を及ぼすことはなく、既存の機能が損なわれることもありません。

Web SDK

@c8y/cli を廃止し、@angular/cli を採用

ツールを改善し、Angularの標準に近づけるため、将来のバージョンでは @c8y/cli と c8ycli コマンドを非推奨にする予定です。 代わりに、ユーザーは Angular (@angular/cli) から標準 CLI をインストールし、ng コマンドでアプリケーションを起動する必要があります。 コマンド ng add @c8y/websdk を実行することで、Web SDK を Angular CLI に簡単に追加できます。 既存のアプリケーションを更新する方法に関する詳細は、Web SDK ドキュメントで提供する予定です。

Web SDK 拡張機能の HOOK_SEARCH のリファクタリング

開発者は HOOK_SEARCH を使用して、カスタム Web アプリケーションでの検索を拡張できます。将来のバージョンでは HOOK_SEARCH インターフェイスがリファクタリングされます。カスタムで開発した UIアプリケーションでこのインターフェイスを使用する場合は、新しいバージョンにマイグレーションする必要があります。新しいインターフェースの使用方法の詳細は、Web SDK ドキュメントで提供する予定です。

Web SDK の重大な変更 - HOOK_ プレフィックス付きインジェクショントークンの非推奨

たとえば、 HOOK_COMPONENTSHOOK_ROUTE、または HOOK_NAVIGATOR_NODES などの HOOK_ プレフィックス付きのインジェクショントークンは非推奨です。これらのフックの代替が導入され、型指定された使用が可能になります。Web SDK ユーザーにとって、これらのフックによって提供される型と属性を推測する必要がなくなるため、大きな利点となります。非推奨の機能は、Things Cloud の将来のバージョンで削除される予定です。

マイグレーションは、ユーザーインターフェイスのカスタマイズに Web SDK を使用したユーザーにのみ必要です。

たとえば、下記の HOOK_ROUTE は、次のようにマイグレーションされます。

providers: [
   {
      provide: HOOK_ROUTE,
      useValue: [{
         context: ViewContext.Device,
         path: 'hello',
         component: HelloComponent,
         label: 'hello',
         priority: 100,
         icon: 'rocket'
      }],
      multi: true
   }
]

新しいフック関数:

providers: [
   hookRoute([
      {
         context: ViewContext.Device,
         path: 'hello',
         component: HelloComponent,
         label: 'hello',
         priority: 100,
         icon: 'rocket'
      }
   ]);
]

影響を受けるすべてのインジェクショントークンは、10.18で非推奨としてマークされており、それらに代替されるものへ詳細は、ドキュメントで提供する予定です。

device-grid モデルクラス、カラム(列)実装、およびサービスの非推奨

以前に @c8y/ngx-components/device-grid で定義されていた共有クラス、コンポーネント、およびサービスは、@c8y/ngx-components に移動されます。したがって、旧項目は廃止されます。

この変更は、開発者が Web SDK を使用して Things Cloud UI アプリケーションを拡張するか、独自の Web アプリケーションを構築する場合にのみ影響します。device-grid 機能を使用する場合は、非推奨のドキュメントを確認し、それに応じてコードを変更してください。WebSDK resources documentation for the device-grid service の非推奨事項をご覧ください。このドキュメントでは、その他の非推奨事項も参考としてマークされています。

ロシア語ローカライズの非推奨

Things Cloud プラットフォーム UI のロシア語のローカライズはサポートされなくなります。

ロシア語のローカライズが引き続き必要な場合は、Things Cloud Support までお問い合わせください。

カスタムストリーミング処理機能

Analytics Builder - モデルのタイムアウトを構成するためのキーの削除

モデルのタイムアウトを構成するための次のキー default_timeout_secsblock_promise_timeout_secs は削除され、下記を設定しても無視されます。 代わりに、Apama-ctrl マイクロサービスによって判断されたように、リクエストの応答または返された Promise値の完了に時間がかかりすぎる場合、警告ログが記録されるようになります。

Analytics Builder - Machine Learning の廃止

Analytics Builder の Machine Learning ブロックは非推奨となり、将来のバージョンでは削除される予定です。

セキュリティの変更

ユーザー管理者は他のユーザーのパスワードを設定できなくなります

セキュリティを向上させるために、将来のバージョンから、ユーザーの管理者はテナント内の他のユーザーのパスワードや電子メールアドレスを明示的に設定できなくなります。 この変更により、管理者アカウントが侵害された場合に、攻撃者がすべてのユーザーにアクセスすることを防ぎます。 管理者は、ユーザーに次回ログイン時にパスワードのリセットを強制するか、ユーザーを無効にするかを選択できることに注意してください。

不具合改修

今回のバージョンアップで、下記の不具合改修を含んでいます。

カテゴリ
対象
変更内容
詳細
TCS No.
GUI コックピット データポイントの並び変えオプション追加 「データポイントの追加」等で表示されるデータポイントの並び順がランダムでわかりづらかった問題が解消され、データポイントの検索機能とデータポイント名の並べ替えオプションが追加されます。 -
GUI コックピット データポイントグラフの縦軸(Y軸)の表示 データポイントグラフの縦軸(Y軸)の表示範囲を設定した場合、グラフの始点から昇順に数値の最小値から表示されるべきところ、設定内容により縦軸の数値の表示順が逆転し降順になってしまうケースがありましたが、データポイントグラフの縦軸(Y軸)は常に昇順で表示されます。 TC-CASE0000337
GUI コックピット データポイントのエクスポートデータ データエクスプローラから複数のデータポイントのメジャーメントデータをエクスポートした際、データポイント毎にファイルが出力されるべきところ、1つのファイルに複数のデータポイントが混在したファイルが出力されていた不具合が解消されます。 TC-CASE0000473
GUI コックピット SCADAウィジェットにサニタイズオプション追加 SCADAウィジェットにアップロードしたSVG画像のanimateタグはサニタイズにより機能しませんでしたが、サニタイズに関するオプション(厳密/緩い/なし)を選択できるようになります。 TC-CASE0000430
GUI コックピット SCADA設定時のデータポイントメニューの表示 SCADAウィジェットのプロパティ設定画面で、データポイントメニューが表示されない不具合は解消されます。 TC-CASE0000444
GUI コックピット アセットプロパティの階層データの表示 アセットプロパティウィジェットに表示するデータにマネージドオブジェクトのプリミティブな値を持たない階層構造のプロパティを選択した場合でも値が表示されます。 TC-CASE0000458
GUI コックピット レポート追加の権限制御の追加 レポートを追加するための権限がないユーザーは「レポートの追加」ボタンが非活性になります。 TC-CASE0000452
GUI コックピット インベントリロールを設定したユーザーのダッシュボード表示遅延改善 インベントリロールを適用したデータの取得についてパフォーマンスが向上します。メジャーメント、アラーム、イベントのGETリクエストは、システム上のデータ量と、インベントリロールでのフィルタリングにおける権限解決アルゴリズムの複合効果によりダッシュボードの表示速度に影響がありましたが、インベントリロールのフラグメントによるフィルタリング動作が改善されます。 TC-CASE0000389
GUI コックピット インベントリロールを適用したグループの表示 異なるグループ階層で複数のインベントリロールが割り当てられたグループがある一部のユーザーでグループが表示されないケースがありましたが、グループ階層に関わらず、インベントリロールを設定したユーザーに対して、適切なグループが表示されます。 -
GUI コックピット グループへの遷移 グループが複数の入れ子階層の場合、下の階層グループから上の階層グループへ遷移できなかった不具合が解消されて、どの階層グループでも正しく遷移できるようになります。 TC-CASE0000466
GUI コックピット モバイルデバイスでの表示 スマートフォンでダッシュボードを表示した際に、ウェジェットのサイズはモバイル画面にあわせて表示されます。 TC-CASE0000359

その他

テナント管理機能

サブテナントの一時停止機能の改修

重要
2024年4月15日(予定)より、サブテナントの一時停止(suspend)の機能が削除受付機能へと変更となり、削除受付から6か月経過後にバッチ処理によって実際の削除処理が実行されます。 こちらに伴い、現在一時停止中のサブテナントは2024年4月中頃より順次削除されることをご案内します。 今後利用可能性のあるサブテナントは管理画面より有効化への切り替えをお願いします。

サブテナントのステータスはアクティブ一時停止からアクティブ削除受付済(課金対象外)に機能改善されます。

削除受付後、該当のサブテナントは課金対象から除外されます。削除受付後から6ヶ月間に限りテナントのデータはデータベースに保持されるため、削除取り消しをクリックすることで再度使用可能(課金対象)になります。

実際の削除処理は、削除受付から6ヶ月経過後、バッチ処理により実行されます。

※削除受付後、6ヶ月経過後の削除実施日0:30時点でのステータスを持って順次削除処理を行います。