Netcomm

概要

以下のセクションでは、NetCommルーターを Things Cloud と併せて使用する方法を説明します。具体的に、以下の作業の手順を説明します。

以下のセクションでは、NetComm エージェントソフトウェアパッケージがルーターにインストール済みであると想定します。このエージェントは NTC-6200に対応しています。 ルーター特有の特徴について詳しくは、ルーターのホームページの「Downloads」セクションに記載されているそれぞれのマニュアルをご覧ください。

ルーターの構成設定

Things Cloud に対応するための構成設定は、ルーターのWebユーザーインターフェース経由で行うことができます。その場合、ルーターのマニュアルに記載の通り、ユーザーインターフェースへログインします。「System」タブをクリックし、「Internet of Things」のメニュー項目をクリックします。

 Things Cloud 構成設定

「 Things Cloud agent」のトグルスイッチが「ON」に設定され、「Server」欄に記載のURLがあなたの接続したい Things Cloud インスタンスのURLであるかどうか、検証します。例として、以下を使用します。

任意で、以下の機能向けにデータ収集を有効化することもできます。

これらのオプションはすべて、初期設定では無効の状態です(間隔は0に設定されています)。

Webインターフェースも Things Cloud への接続状態を表示します。

(バージョン2.xの場合)

(バージョン3.xの場合)

ルーターの接続

あなたのNetCommルーターを Things Cloud に登録するには、ルーターの製造番号を「デバイスID」として設定する必要があります。登録手順はユーザーガイドの「Connecting devices」セクションに記載されています。製造番号は下記の通り、ルーターの後面に印刷されています。あるいは、ルーターのWebユーザーインターフェースでも確認できます。「System」をクリックし、「Internet of Things」へ進み、「Device ID」フィールドをご確認ください。

バージョン2.xのユーザー、または2.xから3.xへアップグレードするユーザーは、ルーターのMACアドレスを使用してください。MACアドレスを入力する際は必ず、小文字と数字のみ使用してください。MACアドレスをコロンで区切らないでください。例えば、画像からのMACアドレスは以下のように入力されることになります。

006064dda4ae

MACアドレス

「accept」ボタンをクリックした後、「All devices」をクリックすると、ルーターが登録後にここへ表示されるはずです。ルーターの初期設定名は「<型式> (S/N <製造番号>)」です。「<型式>」はデバイスの型式名を指します。例えば、上記のルーターの場合、「NTC-6200-02 (S/N 165711141901036)」と表示されます。ルーターをクリックすると、詳細情報を閲覧したり、本書の後続セクションに記載の機能へアクセスしたりすることができます。登録済みのルーターをリスト内の他のデバイスと区別するため、ルーター名を「Info」タブ上で変更することができます。このタブにはルーターの製造番号やSIMカードデータなどの基本情報も表示されます。名称変更後、「Info」ページの下部に表示される「save changes」ボタンをクリックすることをお忘れなく。

ネットワークパラメータの構成設定

「Network」タブ内で、不可欠なモバイルネットワーク(WAN)やローカルエリアネットワーク(LAN)の閲覧および構成設定を行うことができます。

ユーザーインターフェースに表示されるモバイルネットワーク(WAN)パラメータは、ルーターに保存される最初のプロファイルに相当します。これらのパラメータの構成設定を遠隔操作により、直接行うことができます。

LANおよびDHCPのパラメータの構成設定を、 Things Cloud から直接行うこともできます。

ソフトウェアおよびファームウェアの管理

ルーターにインストール済みのソフトウェアおよびファームウェアの遠隔管理を、デバイス管理ユーザーガイドに記載の通り、 Things Cloud が提供する標準のソフトウェア/ファームウェア管理機能を使用して行うことができます。

ソフトウェアパッケージは ipkg 形式である必要があり、また「<パッケージ名>_<バージョン>_<arch>.ipk」という命名法に従う必要があります。文字を含むバージョン番号はサポートされません。パッケージ管理方法(インストール、アップグレード、ダウングレード、削除)はすべて、ルーターのパッケージマネージャー経由でサポートされます。ソフトウェアパッケージに依存性がある場合、必ずそれらを先にインストールしてください。

「smartrest-agent_<version>_arm.ipk」というパッケージは、NetCommエージェントであることを意味します。このパッケージを Things Cloud から削除してはなりません。

2.1.1より古いバージョンからアップグレードする場合、デバイスの再登録が必要です。

ファームウェアをルーター上にアップロードおよびインストールすることもできます。ファームウェアを正常にアップグレードするため、対象ファームウェアにエージェントソフトウェアパッケージが含まれることを確認してください。エージェントソフトウェアパッケージが対象ファームウェアに含まれていないと、インストール後にエージェントが起動しません。 ファームウェアファイルはNetcommの命名法(「<name>_<version>.cdi」)に従う必要があります。

システムリソースの監視

ルーターのシステムリソース使用状況に関する統計を記録して、トラブルシューティングに役立てることができます。以下の統計を取得することができます。

初期設定では、リソース統計収集が無効となっています。有効化する場合、 ルーターユーザーインターフェース における「System resources measurements」の収集間隔を非ゼロに設定するか、または Device Shellを使用して以下の通り設定します。

set service.cumulocity.system_resources.interval=<interval>

「Measurements」タブまたはダッシュボードから、収集されたデータにアクセスすることができます。

GPSの使用

ルーターの所在特定または追跡を行う場合、GPSアンテナをルーターへ接続し、ルーターのGPS機能を有効化します。次いで「GPS position interval」および/または「GPS position event」の値を非ゼロに設定することにより、データ収集頻度を 設定 します。「GPS position interval」は、ルーターの現在位置の更新頻度を定義します。「GPS position event」は、追跡を目的に現在位置を位置更新イベントとして保存する頻度を定義します。同様に、これらのパラメータを以下の通りDevice Shellから設定することもできます。

set service.cumulocity.gps.update_interval=<update interval>
set service.cumulocity.gps.interval=<event interval>

構成設定変更を適用した後、最初のGPSデータの到着までしばらく待ってから、ページを再読み込みします。そうすると、「Location」タブと「Tracking」タブが表示されるはずです。詳しくはユーザーガイドの「Location」および「Tracking」のセクションをご覧ください。

GPIOの使用

以下のGPIO機能がサポートされています。

個別のIO設定について詳しくは、あなたのルーターの関連資料をご覧ください。利用可能な機能は、デバイスの型式によって異なる場合があります。 例えば、NTC 6200型はGPIOピン1~3に対応する一方、NTC 140W型はGPIOピン1にしか対応しません。

アナログ入力

GPIOピンの入力電圧のポーリングを定期的に行い、結果を Things Cloud 送信したい場合、「GPIO analog measurements」の値を非ゼロに設定します。あるいは以下の通り、Device Shellを使用します。

set service.cumulocity.gpio.interval=<interval>
set service.cumulocity.gpio.<port>.notify=measurement

<port>はGPIOピンの付番を指します。NTC-6200の場合、<port>の値は1、2または3のいずれかである一方、NTC-140Wの場合、<port>の値は1のみです。結果は可視化されて「Measurements」に表示されます。

デジタル入力

デジタル入力からアラームを起動することができます。これらの構成設定を、ルーターユーザーインターフェースを使用するか、またはDevice Shell経由で行うことができます。 形式は以下の通りです。

set service.cumulocity.gpio.<port>.notify=alarm
set service.cumulocity.gpio.<port>.debounce.interval=<SECONDS>
set service.cumulocity.gpio.<port>.alarm.text=<ALARM_TEXT>
set service.cumulocity.gpio.<port>.alarm.severity=<severity>

通知パラメータとして可能な値は以下の通りです。

デバウンス間隔はGPIO入力からの電気ノイズを低減します。 つまり、間隔が短いほど値のノイズが大きくなりますが、信号の変化に対する反応は速くなります。初期設定のデバウンス間隔は10分間です。

「text」プロパティの設定により、初期設定のアラームテキストを上書きすることができます。初期設定ではこの値が空の状態で、「gpio<N> is active(gpio<N>が有効です)」をテキストとして使用します。<N>はGPIOピンの付番を指します。

有効なアラーム重大度は以下の通りです。

入力は1秒毎に、変化がないか確認されます。

デジタル出力

「Relay array」プラグインを使用して、デジタル出力を制御することができます。下記のスクリーンショットをご覧ください。GPIOピンの付番はルーターでの付番と同じです。NTC-6200型の場合、3通りのGPIOピンを設定できますが、NTC-140W型では最初のピンのみ有効です。

構成設定管理

ユーザー構成設定データを検索、修正および保存することができます。 To do 実行する場合、ルーターの「Configuration」タブをクリックし、「CONFIGURATION」ウィジェット内の「Reload」ボタンをクリックして構成設定データをリクエストします。ダウンロードに数秒かかります。構成設定データが到着すると、パラメータ一覧と各パラメータに対応する値が表示されます。その後、構成設定に変更を加え、デバイスに戻す形で保存することができます。

構成設定のスナップショットをデバイスにリクエストし、それを後で他のデバイスに適用することもできます。

エージェントのバージョン3.11および Things Cloud のバージョン7.26以降、RDBスナップショットにも対応するようになっていますが、これは構成設定のいわば上位集合です。これは主にトラブルシューティングが目的です。

Device Shell

Device Shellを使用して、個別の構成設定パラメータをデバイスから読み書きするほか、診断用コマンドを実行することもできます。 詳しくは ユーザーガイドをご覧ください。有効なパラメータおよび診断用コマンドについては、Netcomm関連資料をご覧ください。一般的な形式は以下の通りです。

セミコロンをセパレーターとして使用すると、複数のget、setおよびexecuteコマンドを実行できます。使用頻度の高いパラメータおよびコマンドにアクセスするには、「Get Predefined」リンクをクリックします。

イベント通知

ルーターは一定のシステムイベントをアラームとして報告します。これらをアラームとして Things Cloud へ転送することができます。システムイベントは、例えばモバイルネットワークの問題のトラブルシューティングに役立ちます。 さまざまな種類のイベントやそれらの転送方法について詳しくは、Netcomm関連資料(例えば、ユーザーガイドの「Event notification」セクション)をご覧ください。イベントをアラームとして転送する場合、UDPの宛先をローカルホスト上の1331番ポートに送信するよう設定します。(「宛先構成設定」セクション参照)。

Cloud Fieldbus

Modbus-TCPおよびModbus-RTUのスレーブにそれぞれLAN経由およびシリアルポート経由で接続し、 Things Cloud 内で遠隔管理することができます。実行するには以下を行う必要があります。

Modbus-TCPの設定手順

Modbus-RTUの設定手順

<mode>はre232、rs422またはrs485のいずれかとすることができます。モード変更後、デバイスの再起動が必要となる場合があります。

初期設定のシリアルポート/dev/ttyAPP4は、追加の構成設定を行わなくても機能するはずです。空の場合、または別のポートを構成設定する必要がある場合、デバイスのWebUI内の Things Cloud メニューで構成設定可能です。「Configuring the router」をご覧ください。

USB/シリアル変換装置の中には、エコーモードが初期設定で有効となっているものもあり、これはModbus通信の作動を完全に止めてしまう可能性があります。そのような変換装置をお持ちの場合、無効化手順についてメーカーにお問い合わせください。

NTC-140W型はModbus RTUに対応していませんので、該当する機能がUIに表示されません。

その場合の手順は以下の通りです。

ログビューアー

各種ログをデバイスからダウンロードし、閲覧することができます。ログファイルはかなり大きい場合がありますので、関心のある内容のみ閲覧した場合、フィルタリングのための引数を設定することができます。

右側で日付範囲を設定し、ログファイルを選択することができます。次に、テキストを検索し、合致する行のみデバイスから取得することができます合致する行を制限することもできます。

取得されたログが下のリストに表示されます。クリックするとログファイルの内容がページの下部に表示されます。前回リクエストしたログが自動的に開かれます。

Netcomm Agent 開発者ガイド

インデックス:

設定

資格情報

資格情報は値としてRDBに格納されます:

バスワードの形式:

イベント通知

Things Cloudのアラームは、NetCommワイヤレスM2Mデバイスモデル(バージョン1.3)で説明されているNetComm UDPイベントを基にしています。 エージェントは次のファイルの定義を使用します:/usr/local/etc/udp_alarms.ini これらは:

各イベントセクションは以下のものが含まれます:

Things CloudではUDPイベントからのテキストは通知として直接設定されます。

ログビューアー

ログビューアーのプラグイン(lua__logs) は次のファイルの定義を使用します: /usr/local/etc/logs.ini
グローバル値のlogsには対応するログのリストが含まれています。

logs = logread, dmesg, sragent

これはThings Cloudで宣言されたログの名前とログの詳細が含まれたセクションのリストです。

各セクションは以下のものが含まれます:

例:

[syslog]
file = /var/log/syslog
pattern = (%a+ +%d+ +%d+:%d+:%d+)%s+%S+%s+(%S+):%s*(.*)%s*$
fields = time, module, text
timeFormat = %B %d %T

[logread]
execute = logread
pattern = (%a+ +%d+ +%d+:%d+:%d+)%s+%S+%s+(%S+)%s+(%S+):%s*(.*)%s*$
fields = time, level, module, text
timeFormat = %B %d %T

Netcommリリースノート

NetComm Agent 3.2リリースノート

本書ではNetComm Wireless NTC-6200型ルーター用 Things Cloud エージェントパッケージについて説明します。

サポート対象機能

エージェントは以下の機能をサポートします。

既知の制限とバグ

システム要件

エージェントはファームウェアバージョン2.0.36.10.にてNTC-6200型デバイス上で試験済みです。WANパラメータを遠隔設定する場合、SMS機能付きのSIMカードが必要です。

エージェントバージョン3.2.0以上の場合、multip-XID対応のために最低でもバージョン7.20のバックエンドが必要です。 エージェントバージョン2.1.10以上の場合、新規ログビュアーに対応するために最低でもCumulocity6.10が必要です。

エージェントのインストール

インストール後、エージェントが自動起動し、その後、ルーターを Things Cloud に登録可能となります。その後のアップグレードまたはダウングレードは、エージェントのソフトウェアマネジメント機能を介して遠隔操作により、またはルーターのWebポータル経由でローカルに行うことができます。

エージェントの用法

エージェントの用法について詳しくは、NetComm Agentユーザーガイドをご覧ください。

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